官僚制

大きな組織を効率的に動かす

会社と言えば、まずイメージするのはピラミッド型の組織。

もちろんフラットな組織構造の会社もあるが、それだと会社は大きなラナイ。フラットな組織は40~50人くらいの規模になると分裂する。ベンチャー企業でのあるある話だ。大きな組織になるには、階層構造を作らなければならない。表面的であれば上司・部下の上下関係を受け入れる必要がある。

 大きな組織を効率的に動かすため、社会・経済学者のマックス・ウェーバーはさらに、①職務をs年門化することで分業し、②担当者が変わることで対応が変わらないよう規則を明確化し、③文書によって記録する事…

というような特徴を上げた。これが官僚制の組織だ。

 

 官僚制というと「お役所仕事」「硬直的」のイメージが付きまとうが、実は当たり前のことを言っているだけ。役所でも会社でも「もっと柔軟に対応しろ!」と担当者を恫喝する人は、要するに「自分だけ特別扱いしろ!」と言っているわけで、これではダメ。

 

 文書で記録を残すことも、長く事業を続けているのであれば当たり前の事。毎年「去年はどうだったっけ?」の繰り返しでは進歩はない。ただし、何事も程度の問題。あまり硬直的で文書主義だと逆機能と呼ばれてしまう。

 

【官僚制の逆機能】

参考:堀江湛(編)『政治学・行政学の基礎知識』(一藝社,2007)

ウェーバーは近代官僚制こそが技術的に優れた組繊形態であるとして、その合理的な側面を強調した。

これに対してアメリカの社会学者マートンらは、官僚制には深刻な機能障害(逆機能)もあるとして、その非合理的な側面を指摘している。
ここでいう官僚制の逆機能とは、通常、批判的な意味をこめて「官僚主義」と称されるような行動様式を指す。

これは「お役所仕事」ともほぼ同義と考えてよく、杓子定規で融通のきかない対応、個別事愉を斟酌しない画一的な対応、不親切で人間味に欠ける態度、尊大な態度、煩雑な手続き、非効率性などがその例。
こうした行動様式は、官僚制組織の職員が無能であったり、資質に欠けるがゆえに生ずるというわけではなく、むしろ、職員が近代官僚制の諸原則に忠実であろうとするところに起囚している場介が多い。

 

  • 規則や続きを遵守しようとする態度が、規則や手続きそのものを絶対視するような態度へと転化するなど、本来は「手段」にすぎない規則や手続きが「目的」に転じてしまう。これを「目的の転移」「目標の置換」などとよんでいる。

 

社会学者マートンは、逆機能的組織学習を扱っている。組織メンバーが、ある状況で適切な反応を学習したとする。ところがそれを機械的に、他の類似状況に一般化して適用すると、組織の予期しない望まない結果に終わることがあるということ。これを逆機能と呼んでいる。